2010年8月23日月曜日

新着図書のご案内

本を訳す…それは、本一冊を書き上げるのと同等、或いはそれ以上の労力と言語的センスを要するのではないかと、素人ながら畏敬の念を覚えずにはいられないことがあります。

今回、AF会員の永澤様より、ご自身が訳したアナイス・ニン作『ミノタウロスの誘惑』を寄贈していただきました。心地よい音楽が流れ、目の前に色が溢れてくるような、それでいてどこか優しい素敵な作品です。ぜひお手にとってご覧くださいませ☆


訳者のコメントをお寄せいただきましたので掲載いたします。

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アリアンス・フランセーズ仙台 会員の皆様へ

この度、水声社よりアナイス・ニンの小説『ミノタウロスの誘惑』を出版しました、永澤朝子です。
(旧姓の「大野」をペンネームにしております。)

アナイス・ニンはパリ郊外に生まれ、家族の都合で11歳でアメリカに渡りました。その後、20代で
パリに移住し、第二次世界大戦勃発によって帰国を余儀なくされるまで、15年間をフランスで過ご
しました。

アナイス・ニンは主に日記の出版で有名で、アメリカ文学の巨匠ヘンリー・ミラーとの交流をつづっ
た日記『ヘンリー&ジューン』は90年代に映画化されています。

『ミノタウロスの誘惑』はニンが58歳のときに書かれた小説です。彼女の作品はヨーロッパ色が
強いのが特徴ですが、この小説では珍しくメキシコのリゾート地アカプルコが舞台になっています。

主人公はジャズピアニストのアメリカ人女性で、夫との不和に悩み、一人メキシコに渡り、そこで
いろいろな人々と知り合い、それまでの生き方を振り返ります。

映画にたとえるとロードムービーのような作品で、アカプルコの情景描写や現地の人々の観察を
はさみながら、ストーリーがのんびり進んでいくのが魅力です。

本の表紙はフリーダ・カーロの夫で、メキシコを代表する画家ディエゴ・リベラの作品を使いました。
ブックデザインも水声社さんの協力を得て、凝ったものにしていただきました。

お手にとって、作品をたのしんでいただけますと、幸いでございます。

水声社のブログでも紹介されておりますので、あわせてご覧になってください。

水声社ブログ:http://www.suiseisha.net/blog

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